Ajax: 原書のエッセイを読む

Ajaxが話題になったきっかけは, Jesse James Garrettが書いたAjax: A New Approach to Web Applicationsのエッセイからのようだ.


そこで, このエッセイを読んでみることにした.


このエッセイではアーキテクチャや思想が主に書かれており, Ajax自身の実装までは深く言及していない. 物事を抽象化して議論し, 読者にAjaxの存在をわかりやすく伝えている所が凄い. 見習いたい.


Ajaxアーキテクチャの図は一目で, 何を意味しているのか伝わってくる. 非常にシンプルだがわかりやすい図だ. 既存のアプローチとの違いをうまく表現できている. 特に, Ajax engine(これは開発者が作るパーツ)という抽象化されたコンポーネントが果たす役割がよく伝わってくる.


またシーケンス図も良く描けていて, 同期と非同期の違いも容易に理解できる. ここでもAjax engineの役割をわかりやすく表現されている. センスが良いとしか言いようがない.


では, このエッセイは, なぜ人々に注目されたのだろうか? 私が思うに, アーキテクチャと思想を中心に書かれたというのが大きな原因だとと思う. 抽象化して表現していなかったら, Ajaxのアプローチは, これまでの同期型のWebアプリケーションの起爆剤になるとは思われなかったのではないだろうか.


このエッセイによって, 抽象レベルを上げて論じることで, 読者に「その論は自分の関心のあるドメインに適用できるのでは?」, と思わせる作用をもたらす可能性が高くなることを学んだ.